美術品や骨董品を輸送してもらう場合の料金

引っ越しの中でも、かなり特殊なカテゴリーに入るアイテムとして、美術品や骨董品があります。

長年趣味で集めたものだったり、両親や祖父母から受け継いだリなど、理由も数量も、また痛み方もまちまちです。

そして、こういったアイテムの最大の特徴として「世の中に存在するただ一点の品物」というケースが、非常に多いと言うことがあげられます。

さらに、こういったアイテムを引っ越しで扱うケースが引っ越し業者にとっては、比較的レアケースなのでほぼ専門外ということになります。

したがって、レアケースのために専門部隊を配置しておくとコストにかかわるため、こういったケースが発生した場合には、ほぼ100%外注になります。ということは、必ずオプション料金が発生することになります。

そこで、こういった美術品や骨董品の引っ越しオプション料金について解説します。

美術品・骨董品の区別はどうやって決めるのか?

これにはひとつの定義があって、WTO(世界貿易機関)でも採用されているものです。

その内容としては制作時点から100年を経過した手工芸品や工芸品などのことを言います。

もともと骨董という日本語は、希少価値があると言うような意味を持っているので、このような基準があると思われます。

手工芸品とか工芸品は、実用品なのですが芸術的なデザイン性を持っていて、機能性と実用性を併せ持った工作物のことを言います。鑑賞目的の芸術品とは違うので、このため、人によって解釈の違いが出てくることもあります。

主に陶磁器や刀剣、甲冑、漆器、ガラス器やガラス工芸品、布製品や革製品、家具や木工品など広い範囲のアイテムがあります。

一方美術品とはその定義が比較的曖昧で、骨董と重なる部分もありますが、こちらは観賞用を目的に作られたケースがほとんどで、書、絵画、彫刻、鑑賞目的の工芸品などがアイテムとしてはあげられます。

年代物の美術品を古美術品といいますし、文化財保護法で重要文化財に認定されたものに関しては、重要美術品といいます。

難しい輸送方法

こういった骨董品や美術品の輸送には、かなり高度なノウハウが必要になります。引っ越しにこういうアイテムがあった場合、法人向けと個人向けのサービスがあります。中には、制作をする作家向けのサービスもあります。

とにかく傷をつけずに、現状維持を完璧にできないと、まったく意味がないと言うことになるので、高度なノウハウが必要になります。

梱包の仕方ひとつとっても、どんなアイテムの梱包するのか、梱包するものの傷み方はどの程度なのか、傷んでいる部位はどこなのか、どれぐらいの年数が経っているものなのか、劣化具合はどの程度なのかなど、他にもたくさんの条件を把握してやらないと、まず対象物を痛めてしまいます。とにかく一品ずつに対して、こういった条件を把握していきます。

この一品ずつというところが大変で、同じ条件の品物は二つとないと言うことが、骨董品や美術品の現状なのですから、大変なノウハウが必要です。

それに、運搬する車両についても普通のトラックでは、まったく問題になりません。いわゆる特殊装備を持った、専用車両が必要になることがほとんどです。

美術専用車両といわれる車で、完璧な密室(日航が当たらない)で、完璧な空調(湿度と温度)を維持できて、しかも車が走行中に発生してしまう様々な振動や前後左右にかかる重力を逃がして、輸送対象物の姿勢を常に静止状態に近いように保つ工夫がされています。

このため搬出・搬入のスタッフも専門の訓練を受けていますから、人件費も高いです。かなり大変な作業ですね。

料金は決まっているの?

今あげたような条件があるのため、まさに一点ずつのオーダーメイドになるため、決まったと言うのか、定額はないと言われています。思いがけず安かったり、逆に思いがけず高いこともしばしばあると言われています。まあ、特殊作業にかかる特殊な料金なので、ある意味では当たり前だと言えます。

もし心配だったら、引っ越し業者とは別に専門業者を当たって、きちんとした説明を受けて、見積もりを依頼する手もあります。このばあい、付き合いのある古美術商などから、業者の紹介を受けることも必要ですね。

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